国際化が進むビジネスの現場では、海外企業との商談や海外投資家への説明、海外展示会への出展、外国人観光客の案内、国際会議、医療・法務対応など「人の通訳」が必要とされるシーンが数多くあります。
しかし、「通訳をお願いしたいが、初めてでどう依頼すれば良いか分からない」「費用が高そうで不安」という企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、40年以上通訳事業を行ってきた吉香(KIKKO)が、ビジネスで通訳を活用する方法や費用感、通訳会社の選び方を、実際の事例も交えて分かりやすく解説します。
【ビジネスシーン別】通訳の主な種類

ビジネスで利用される通訳には主に次の4種類があります。
- 会議通訳
- アテンド通訳
- イベント通訳
- オンライン同時通訳
それぞれの特徴や求められるスキルが異なるため、以下で詳しく解説していきます。
なお、吉香では、会議通訳・アテンド通訳・イベント通訳・オンライン同時通訳の4つの通訳に対応しております。
会議通訳
会議通訳は、ビジネスや学術の世界で一般的に利用される通訳形態の一つです。
以下のようなさまざまな会議シーンで活用されています。
- 国際会議
- フォーラム
- シンポジウム
- プレゼンテーション
- プレスカンファレンス
- 講演会
- 社内ミーティング、研修
通訳の方法には主に「同時通訳」と「逐次通訳」があり、内容や会場規模に応じて適切な方式が選択されます。
同時通訳は話者の発言と同時に訳して会話を進められるため、大規模な国際会議等で採用されることが多いです。
逐次通訳は発言の区切りごとに訳すためテンポは遅くなりますが、正確性・丁寧さに優れ、双方向のやり取りが多い商談やインタビューに適しています。
状況に応じて両方式を使い分けながら進めれば、効率と正確さのバランスを取ることが可能です。
また、会議通訳ではビジネスや医学、法律など専門分野の知識が求められるケースも多く、専門用語への精通や事前準備が品質を左右します。
そのため、経験豊富で対象分野に強い通訳者がアサインされることが重要です。
アテンド通訳
アテンド通訳は、通訳者がクライアントに随行してサポートするタイプの通訳です。
たとえば、以下のようなシーンで通訳者が外国人ゲストに付き添い、現場での案内・受付・送迎なども含めて双方のやり取りの通訳をします。
- 展示会
- 商談
- 工場見学
- 企業訪問
単に言葉を訳すだけでなく、場をスムーズに進めるにする役割も担うため、現場での柔軟な対応力やおもてなしの心、ビジネスマナーが求められます。
いわば「言語の橋渡し役」であると同時に、「ホスピタリティスタッフ」としての役割も果たすのが特徴です。
特に海外から重要なVIPを迎える場合などは、通訳者自身が礼節をわきまえた立ち居振る舞いで接し、雑談のフォローや文化紹介など、臨機応変に立ち回ることが重要です。
吉香でも、海外VIPの来日に合わせたゴルフや観光の通訳同行など、通訳+アテンドの実績が多数あり、語学力とホスピタリティを兼ね備えた通訳者を派遣しております。
イベント通訳
イベント通訳は、式典・レセプション・表彰式・パーティーなどイベントの場で行われる通訳業務です。
具体的な業務内容としては、外国人ゲストのアテンド(案内役)、スピーチや挨拶の逐次通訳、場合によっては司会者のコメントを通訳することなどが挙げられます。
国際的な大型イベントでは海外の著名人やタレントがアンバサダーとして登壇するケースもあり、企業にとってブランド発信の重要な機会となります。
こうした場では、瞬時の判断力と丁寧で品位ある言葉遣いが求められるのが特徴です。
多くの聴衆の前で通訳するプレッシャーに加え、イベントの雰囲気や趣旨を壊さずに伝えるセンスも必要です。
たとえば祝辞のニュアンスやユーモア、会場の空気感なども汲み取りつつ、場にふさわしい表現で訳出することで、イベント全体の成功に大きく影響します。
なお、吉香では式典・レセプション等への通訳派遣実績も豊富で、必要に応じてプロモーション資料の翻訳など関連業務もまとめて対応しています。
オンライン同時通訳
近年のテレワーク普及や国際的なリモート会議の増加により、オンライン同時通訳の需要も急速に高まっています。
少人数の商談から大規模な国際シンポジウム、社内セミナーまで、インターネットを介してPCやスマートフォンで高品質な通訳サービスを場所を問わず提供可能なのがメリットです。
従来、オンライン会議で通訳を行う場合は話者と通訳者の音声が重なってしまうため同時通訳が難しく、順番に話す逐次通訳しかできませんでした。
しかし現在は、Zoomの同時通訳機能(副音声)などを活用することで、リモート環境でもリアルタイムの同時通訳が可能になっています。
こうした技術の進歩により、オンライン通訳を取り入れることで通訳機材のレンタル費用を削減したり、遠方への出張費を抑えたりすることもできます。
オンライン同時通訳を成功させるには、通訳者側にもPCや音響機器、通信環境に関する知識と、万一トラブル発生時の冷静な対応力が求められます。
場所を問わず「いつでもどこでも」通訳を提供できる利便性の反面、機材トラブルや通信遅延といったリスク管理も含めて、高度なスキルが必要になるのが特徴です。
ビジネスで失敗しない通訳会社の選び方|見極める6つのポイント

ビジネスシーンで通訳サービスを依頼する際、どの通訳会社にお願いするかによって成果は左右されます。
失敗しない通訳会社の選び方として、特に以下の6つのポイントに注目しましょう。
- 通訳形式の選定
- 通訳者の専門性
- 料金
- 通訳会社の実績
- NDA(秘密保持契約)の有無
- フォローアップ体制
それぞれ順に、具体的に何をチェックすべきか解説します。
通訳形式の選定
まず重要なのは、自社のニーズに合った通訳形式を見極めることです。
主な通訳方式は次の4つです。
| 通訳形式 | 特徴・向いている場面 | 人員目安・注意点 |
|---|---|---|
| 同時通訳 | 話者の発言と同時に訳す方式 スピーディーに進行でき、国際会議や大規模イベントに最適 |
高度な集中力が必要。30分程度で交替が必要なため、通常は2名体制 |
| 逐次通訳 | 話者の発言後に訳す方式 時間はかかるが丁寧で正確。商談やインタビューなど双方向のやり取りに適している |
4時間程度までなら1名で対応可。長時間や専門案件では2名体制が望ましい |
| ウィスパリング通訳 | 少人数向けに耳元でささやく同時通訳。機材不要で手軽 | 通訳者の負荷が高く、1日あたり10〜25万円程度。同時通訳と同等のスキルが必要 |
| オンライン通訳 | ZoomなどのWeb会議システムを活用。移動不要でコスト削減できる | 通信環境の確認が重要。事前の接続・音声テストは必須 |
目的に合った形式を選ぶことで、通訳当日の進行がスムーズになります。
依頼前に「どの通訳形式が自社の目的に最適か」を社内で整理しておきましょう。
たとえば「参加者が多くスピード重視であれば同時通訳」「双方向のやり取り重視であれば逐次通訳」という具合に方向性を決めておくと、通訳会社との打ち合わせも円滑に進みます。
通訳者の専門性
通訳者はただ外国語に訳出しできれば良いわけではありません。
扱う業界知識や専門用語への理解力が不可欠です。
医療・法律・IT・金融など、専門的なビジネス現場ほど重要性は増します。
以下のように、分野ごとに求められる知識やスキルが異なる点に注目しましょう。
- 医学・製薬分野:難解な医学用語や治験に関する知識(医療通訳では専門研修を受けた通訳者が望ましい)
- 法律・契約分野:法的文書や契約交渉に関する知識(法律用語の誤訳は致命的なので法律知識必須)
- IT・テクノロジー分野:システム開発や製品仕様への理解(新技術の専門用語に対応できるか)
- 経営分野:交渉力や文化的ニュアンスの把握(単に訳すだけでなく、商習慣の違いを踏まえ調整する力)
案件内容にマッチした専門性を持つ通訳者に依頼できるかが重要です。
通訳会社に依頼する際は必ず「希望分野に強い通訳者が在籍しているか」「過去に類似分野の実績があるか」を確認しましょう。
専門性の高い通訳者を選べば誤訳やニュアンスのズレを防ぎ、ビジネスの信頼性を高めることができます。
吉香では、医療・法律・IT・観光・エンタメなど各分野に特化した通訳者ネットワーク(登録通訳者約2,000名以上)を持ち、案件内容に応じて最適な通訳者をアサインする仕組みがあります。
料金
通訳料金は、通訳形式・言語・専門分野・拘束時間などによって変動します。
一般的な相場観としては以下の通りです。
- 同時通訳:1日あたり約10〜25万円程度/名+諸経費(対面、派遣の場合)
- 逐次通訳:1日あたり約5〜15万円程度/名+諸経費(対面、派遣の場合)
オンラインで行う場合には、通訳者の交通費や宿泊費、日当、通訳機材などの諸経費の多くが不要となるため、対面、派遣の場合よりは格安になります。
上記はあくまで目安であり、通訳者のレベルや言語の希少性、専門性の高さによって費用は異なります。
安さだけで安易に選んでしまうと、経験の浅い通訳者が担当になったり、サポート体制が不十分な会社に当たったりしてしまうリスクがあるので注意しましょう。
実際「直接フリーの通訳者に依頼したら質が期待はずれだった」「安い会社に頼んだら当日のフォローがなく困った」というケースもあります。
「価格と品質のバランス」を重視し、検討しましょう。
また、通訳料金以外にも考慮すべき費用があります。
たとえば現地派遣の場合の交通費・宿泊費、同時通訳で必要な機材レンタル費、通訳者の事前準備にかかる費用などです。
特にキャンセル料の規定は事前に確認必須です。
吉香では、正式発注後のキャンセルの場合、当日・前日は100%、2〜3日前は50%、4〜7日前は30%のキャンセル料が発生する旨を契約書に明記しています。
依頼する際には見積金額の内訳(通訳者費用、交通費等の経費、機材費、キャンセル規定など)を細かく教えてくれる会社を選びましょう。
単純な価格比較ではなく、提供されるサービス内容とサポート範囲まで含めて判断することが大切です。
通訳会社の実績
信頼できる通訳会社かどうかを見極めるには、過去の実績や顧客事例のチェックが欠かせません。
公式サイトや会社案内で以下のポイントを確認すると良いでしょう。
- 官公庁や大手企業、国際会議などハイレベルな現場での実績があるか(権威ある案件の経験は「信頼できる指標」になります)
- どのような業界・分野の通訳に対応してきたか(自社の業界案件に強いかを判断)
- サービス導入事例や顧客の声が公開されているか(具体的な評価コメントが参考になります)
加えて、問い合わせ時や打ち合わせ時のスタッフの対応品質や提案力も見逃せません。
事前ヒアリングが丁寧か、こちらの要望に応じて適切なプランを提案してくれるか、といった点も評価ポイントです。
通訳当日は通訳者本人だけでなく、コーディネーターの段取り力も重要なので、柔軟で親身な対応をしてくれる会社だと安心です。
なお、吉香では下記のような特殊な通訳ニーズにも対応した実績があります。
| 事例名 | 概要 | 対応内容 |
|---|---|---|
| 外国人投資家の企業訪問(IR) | 日本企業への投資判断のために経営陣の話を直接聞きたいという要望があり、外国人投資家が企業を訪問。 | 議論の内容は経営方針から財務指標、将来的な成長戦略や場合によってはM&Aの話題にまで及び、IR分野のノウハウが豊富なベテラン通訳者2名を同時通訳チームとしてコーディネート |
| 海外企業インセンティブツアーのVIP対応 | 海外の大手企業が実施したインセンティブツアーで、ディズニーランドのガイドツアー通訳やホテルでのツアーデスク対応を担当 | 文化的なおもてなし要素を含む難易度の高い案件にも柔軟に対応 |
| NBAジャパンゲームでのホスピタリティスタッフ | 2019年・2022年開催の「NBA Japan Games」で、コーチや選手、関係者のアテンド通訳を実施 | 世界的スポーツイベントの舞台裏で、チームと運営を通訳で支援 |
| 新衛星サービス開始記念式典での通訳 | 新衛星サービスの開始記念式典にて、総理大臣をはじめ各国要人が出席する中で通訳を担当 | 宇宙開発という高い専門性が求められる場で、正確な通訳を提供 |
| スポーツ選手へのインタビュー映像通訳 | 国際大会で来日した海外選手のインタビュー映像で通訳を担当 | 選手の生の声を正確に伝え、迅速で自然な通訳を実現 |
| テレビショッピング番組での外国人ゲスト通訳 | 24時間放送のテレビショッピング番組に出演する外国人デザイナーやバイヤーの通訳を担当 | 商品の魅力や特徴を的確に伝え、番組を盛り上げる役割を果たした |
このように多彩な事例が公開されている会社は、それだけ幅広いニーズに応えてきた証拠といえます。
実績が豊富な通訳会社であれば、自社のケースに近い事例も見つかるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
NDA(秘密保持契約)の有無
ビジネスシーンで通訳を依頼する際は、取り扱う情報の機密性にも注意が必要です。
プレゼン前の製品情報や社内の未公開データ、あるいは法務・契約関連の内容など、社外秘の情報を通訳者が知るケースは少なくありません。
そのため、通訳会社と正式にNDA(秘密保持契約)を締結できるかどうかは必ず確認しましょう。
企業として機密情報を扱う以上、NDAに応じてくれる通訳会社であれば、情報管理に対する明確な基準と責任体制を持っていると判断できます。
ほとんどの通訳会社は標準的にNDA締結に対応していますが、念のため事前に「守秘義務契約書を用意してもらえるか」「通訳者個人とも守秘契約を交わしているか」を確認すると安心です。
吉香でも、契約時にご要望に応じて業務委託契約書とNDAを交わし、通訳者にも厳格な守秘義務を課しています。
万が一、NDA対応に消極的な業者があれば、機密情報の取り扱いに不安が残るため、選択肢から外した方が無難でしょう。
安心して業務を任せるためにも、NDAを標準対応としている会社を選ぶことが大切です。
フォローアップ体制
通訳業務は「通訳して終わり」ではありません。
イベント後の報告や資料共有、次回に向けた改善提案など、充実したフォローアップがあるかどうかも重要なポイントです。
通訳会社は以下のようなサポート体制を持っています。
- イベント後の振り返り・改善提案
- 継続案件への対応(担当通訳者の固定)
- 緊急時の代替手配:実際、吉香では「当日通訳者が来られなくなった際に他の通訳者を即座に手配した」緊急対応実績も多くあります。
- オンライン環境の技術サポート
このような通訳後、または何か問題が起きた時のフォローアップがしっかりしている会社は、長期的なパートナーとして信頼できます。
特に初めて通訳を依頼する企業にとっては、「初めて」ということから不安な部分や分からない点も多く、丁寧なフォローがあることが何より重要です。
選定段階で「終了後の報告や次回提案がありますか?」「トラブル時のフォローアップ体制は?」といった点も確認しましょう。
ビジネス翻訳の可否
ビジネス通訳の現場では、当日の会議や商談だけでなく、関連資料の翻訳作業が必要になることも少なくありません。
たとえば、打ち合わせ内容をまとめた議事録や質疑応答の記録を後日翻訳するケース、またはプレゼン資料・契約関連文書・報告書・プレスリリースなどを事前に翻訳しておくケースなどです。
そのため、通訳のみならず翻訳にも一貫して対応できる体制を持つ会社を選ぶことが非常に重要です。
通訳と翻訳を別々の業者に依頼した場合、専門用語の訳語や文体の統一が保たれず、メッセージの一貫性が損なわれるリスクがあります。
結果として、全体の品質管理が難しくなることもあります。
吉香では、ビジネス通訳に加えてビジネス翻訳サービスも提供していおります。
通訳現場で新たに発生した翻訳ニーズにも即応できる柔軟な体制を整えており、企業活動を包括的にサポートすることが可能です。
ビジネスで通訳を依頼する際の費用

ビジネスシーンにおける通訳費用は、通訳のスタイルや対応言語、専門分野、拘束時間などの条件によって変わります。
一般的な料金目安は次のとおりです。
- 同時通訳:1名あたり1日約10万〜25万円+諸経費(対面・派遣の場合)
- 逐次通訳:1名あたり1日約5万〜15万円+諸経費(対面・派遣の場合)
オンライン通訳では、通訳者の交通費・宿泊費・日当・機材費などの追加費用が不要なケースが多いため、対面や派遣に比べて費用を抑えられる傾向があります。
なお、上記の金額はあくまで目安であり、通訳者のスキルレベルや対応する言語の希少性、または専門分野の難易度によって、実際の料金は変動します。
参考までに、吉香では、次のように通訳者を独自の基準でA〜Cクラスにランク分けし、業務内容と予算に応じて最適な通訳者と必要機材を提案しています。
たとえば以下のような料金体系です。
| 通訳クラス | 違い | 通訳形式 | 全日料金 | 半日料金 | 延長料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| Aクラス | 1. 専門分野を持ち、その分野の知識が豊富。 2. 同時通訳・ウイスパリング・逐次通訳に対応。 3. 翻訳の場合、高度の専門的知識を必要とする原稿に対応出来る。 4. 会議・セミナー・放送通訳など対応可能 5. 10年以上の経験 |
同時通訳 ウィスパリング 逐次通訳 |
¥100,000〜 | ¥67,000〜 | ¥15,000〜/1時間 |
| Bクラス | 1. 際立った専門分野を持たないが、幾つかの分野に関してはある程度の専門的知識を持つ。 2. 逐次通訳に対応。 3. 翻訳の場合、高度の専門的知識を必要としない原稿に対応。 4. 街録インタビュー、観光ガイドなど対応可能 5. 5年以上の経験 |
逐次通訳 | ¥70,000〜 | ¥48,000〜 | ¥10,000〜/1時間 |
| Cクラス | 1. 得意とする専門分野は持たないが、一般的な材料に対応出来る。 2. 逐次通訳に対応。 3. 翻訳の場合、平易な内容の原稿に対応出来る。 4. 受付レベルとなります 5. 3年以上の経験 |
逐次通訳 | ¥45,000〜 | ¥30,000〜 | ¥6,500〜/1時間 |
引用元:吉香「料金のご案内」
通訳者のレベルに応じて料金レンジを用意することで、予算に合わせた提案が可能となっています。
ビジネスで通訳を依頼する流れ

ビジネス通訳を依頼する際の一般的な流れは次の通りです。
- ステップ1:通訳の目的と条件を整理する
- ステップ2:通訳会社・通訳者をリサーチ・選定する
- ステップ3:見積依頼と条件確認を行う
- ステップ4:契約・発注を行う
- ステップ5:事前打合せを行う
- ステップ6:当日は現場の進行を把握し、通訳者と連携する
- ステップ7:内容を確認してフォローアップする
各ステップで押さえるべきポイントを具体的に見ていきましょう。
ステップ1:通訳の目的と条件を整理する
最初に行うべきは、通訳を依頼する目的と条件を明確にすることです。
通訳が必要なシーン(会議、商談、イベント、セミナー等)によって求められるスキルや形式が異なるため、以下の項目を整理しておきましょう。
- 通訳を依頼する目的・内容:何のために通訳が必要か(例:海外企業との商談での商品説明、国際会議でのプレゼンテーション、外国人VIPの工場視察案内など)
- 開催日時・所要時間:通訳が必要な日時と、想定される拘束時間(例:○月○日9時〜17時など)
- 開催場所・形式:対面で行うのかオンライン会議なのか、会場の場所や使用予定のWeb会議ツール名など
- 対応言語:何語から何語への通訳が必要か(例:日本語⇔英語、日本語⇔中国語など)
- 専門性の有無:扱うトピックに専門知識が必要かどうか(例:医療分野の学会発表→医学知識必須)
- 参加者の人数・属性:通訳対象者および聴衆の人数や役職等(例:日本人5名・外国人2名の会議、聴衆100名のセミナーなど)
- 使用する資料やスライドの有無:通訳者に事前共有する資料の種類と提供時期(例:プレゼン資料は開催1週間前に共有予定等)
- 希望する通訳形式・通訳者クラス:逐次か同時か、通訳者のレベルに希望があればその旨(※形式についてはステップ1の段階で必ずしも決めきれなくてもOKです)
- 予算感・社内稟議の都合:上限予算や希望する料金形態(例:○万円以内、交通費込み希望など)
- 守秘義務の必要性:機密情報を扱う場合、NDA締結の要否
- ビジネス翻訳の有無:会議資料や議事録などの翻訳の必要性の有無
上記の内容を事前に明確にしておくことで、次のステップで通訳会社へ問い合わせる際にスムーズです。
特に「何語で何をいつどこで通訳してほしいか」がはっきりしていると、通訳会社側も最適なプランを提案しやすくなります。
逆に目的が曖昧なままだと、ミスマッチなサービスを選んでしまう恐れもあります。
まずは社内で通訳ニーズを整理し、必要条件をリストアップしておきましょう。
ステップ2:通訳会社・通訳者をリサーチ・選定する
次に行うのが、通訳会社や通訳者のリサーチです。
整理した要件をもとに、自社の分野やニーズに合った通訳者を提供してくれそうな候補を探します。
一般的には、以下の3つの方法があります。
- 通訳会社に依頼する:通訳会社に連絡し、要件を伝えて最適な通訳者を紹介してもらう方法
- 通訳者マッチングサービスを利用する:通訳者専門のマッチングサイト等でフリーランス通訳者を直接探す方法
- 自社で通訳者を直接採用する:社員や契約社員として通訳者を雇用する方法
通訳会社への依頼は手配から当日のフォローまで一任できる安心感があります。
通訳者マッチングサービスの利用はコストは抑えられますが、通訳者選定や契約手続き、当日の段取りまで自己責任になる点に注意が必要です。
自社で通訳者を直接採用するのは社内に通訳業務が常時発生する企業や、特定業務に精通した通訳者を常に確保したい場合に検討しましょう。
ただし、採用コストや業務量変動のリスクも高いため、特殊なケース向けです。
「失敗が少ない」という点や、多様なビジネスシーンがあることから、何度も通訳依頼をしたことがあったり、自社に通訳に精通する人がいるなど以外は、通訳会社に依頼するのが一番無難です。
数ある通訳会社の中からどう選ぶかですが、ポイントは「実績」「専門分野対応」「サポート体制」などになります。
たとえば自社のニーズが「医療分野の専門会議」なら医療通訳の実績豊富な会社、「海外VIPのアテンド」ならホスピタリティ対応に強い会社、という具合に絞り込むと良いでしょう。
吉香は2,000名以上の多様な専門性を持つ通訳者が所属しているため、通訳が必要なビジネスシーン、専門性に合わせて最適な通訳者を派遣することが可能です。
ステップ3:ヒアリング・打ち合わせを行う
依頼する通訳会社、通訳者が絞れたら、実際に問い合わせをしましょう。
問い合わせ後に、通訳会社や通訳者によるヒアリングや打ち合わせなどが行われるため、依頼内容を改めて伝えて、見積もりを依頼します。
見積依頼の際には、ステップ1で整理した要件をもとにできるだけ具体的に依頼内容を伝えましょう。
通訳会社によってはWebサイトに専用の問い合わせフォームが用意されている場合もあります。
ステップ3:見積・条件確認を行う
見積や条件を確認、他社と比較する際は、単純に金額の多少だけで判断しないことが重要です。
以下の点も併せてチェックしてください。
- 通訳者の人件費のほか、交通費・宿泊費、機材費、事前準備費の有無と金額
- 拘束時間超過時の延長料金、早朝・深夜対応時の割増、キャンセル料の発生条件など
- 通訳者のプロフィール(提案された通訳者の経歴や専門分野)
- 通訳者以外にコーディネーター等が当日サポートしてくれるか
- 機材のセッティングや撤収は誰が行うか
- 支払方法(振込・クレジット等)や支払期日
ステップ4:契約・発注を行う
見積内容と各種条件に納得したら、正式に契約・発注を行います。
通常は発注書と請書の取り交わしや、業務委託契約書締結などの手続きが発生します。
契約書面には以下の事項が正確に記載されていることを確認しましょう。
- 通訳実施日時、場所、言語、通訳形式(逐次・同時など)
- 通訳者名(あるいはクラス・人数)
- 見積金額と支払い条件(支払期日や方法)
- キャンセルポリシー(いつまでにキャンセルすれば費用が発生しないか等)
- 機密保持に関する条項(NDAを別途締結する場合はその旨)
- 何らかの理由で通訳者変更が必要になった場合の取り扱い(代替手配など)
秘密保持契約(NDA)が必要な場合は、契約・発注のタイミングで合わせて締結します。
契約書の内容に不備がないか最終チェックを行い、問題なければ正式にサインして発注完了です。
ステップ5:事前打合せを行う
契約後、通訳実施前に通訳者との事前打合せを行います。
通訳会社を通して通訳者と直接ミーティングの機会を設けてもらいましょう(対面またはオンライン)。
事前打合せでは以下の情報共有・調整を行います。
- イベントや会議の進行概要(当日のアジェンダやタイムテーブル、各セッションの流れ)
- 登壇者や参加者の情報(スピーカーや要人の氏名(読み方含む)、肩書き、簡単な背景など)
- 使用する資料・スクリプト(配布資料、プレゼンスライド、スピーチ原稿、動画の台本などがあれば事前に渡す)
- 専門用語や略語の説明(業界特有の用語、社内用語、製品名などがあればリストアップして伝える)
- 現場の雰囲気や重要ポイント(通訳者が当日の雰囲気や目的を理解できるよう、イベントの趣旨や成功させたいポイントなどを共有)
- 質問事項への回答
通訳者にとって事前情報が多ければ多いほど準備がしやすく、当日の通訳精度も向上します。
資料準備に時間がかかる場合でも、まずアウトラインだけでも共有するなど工夫しましょう。
「こんな細かいことまで知らせていいのかな?」と思うようなことでも、通訳者にとっては重要なヒントだったりします。
可能な範囲で情報提供し、通訳者とのコミュニケーションを密にしておきましょう。
ステップ6:当日は現場の進行を把握し、通訳者と連携する
いよいよ通訳当日です。
当日は下記のような現場の進行管理をしっかり行い、通訳者と適宜連携を取りましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通訳ブースや席の確認 | ・同時通訳:会場内の通訳ブースや機材設置箇所を事前に確認し、通訳者に案内する ・逐次通訳:通訳者の席や立ち位置を決め、必要なら椅子やマイクを用意する |
| 音響チェック | ・マイクや受信機の音声が通訳者に届いているか、会場リハーサル時に確認する ・オンライン通訳では、音声・映像の接続テストを事前に実施する |
| 直前打ち合わせ | ・開始前に通訳者と最終確認を行い、出席者やプログラム変更があれば伝える ・控室がある場合は、簡単な事前打合せを行う |
| 進行状況の共有 | ・イベント中は、プログラムの遅れや短縮などの進行状況を通訳者に随時共有する |
| イレギュラー対応 | ・飛び入り発言や質疑応答の延長、オンライン接続トラブルなどの際は、即座に通訳者へ状況を共有する ・必要に応じて休憩を入れるなど柔軟に対応する |
| 通訳者への配慮 | ・長時間の場合は休憩を確保し、水分補給や軽食など通訳者が集中できる環境を整える |
「通訳者に安心して業務に集中してもらえる環境を整えること」がビジネスシーンでの通訳成功の秘訣です。
通訳者は緊張感の中で作業しているため、依頼側のちょっとした気遣いやサポートで気持ちがほぐれたり、助けになります。
結果として通訳の品質向上にも繋がります。
ステップ7:内容を確認してフォローアップする
通訳業務が無事終了したら、最後に内容の確認とフォローアップを行います。
具体的には以下のような作業があります。
| 項目 | 内容・目的 |
|---|---|
| 主催者側での振り返り | ・通訳者から預けていた資料の返却や機材の回収漏れを確認する ・必要に応じて参加者から通訳のフィードバックを集め、全体の満足度を把握する |
| 通訳会社への報告 | ・当日の通訳者の対応や運営全体の印象を、通訳会社のコーディネーターにフィードバックする ・良かった点・改善点を率直に伝えることで、次回以降の品質向上につながる |
| 通訳会社からのアフターフォロー | ・案件終了後、通訳会社から改善提案や報告書を受け取る(※ある場合とない場合があります) |
| 次回の依頼に向けた情報蓄積 | ・今後も通訳を依頼する場合に備え、今回担当した通訳者を記録する |
最初は手探りでも、信頼できる通訳会社と巡り会えれば、その後は長期的なパートナーとして心強い存在になるでしょう。
しっかりと準備とフォローを行い、毎回の経験を次に活かしていくことで、自社にとって最適な通訳活用の形が見えてくるはずです。
吉香のビジネス通訳サポート事例

最後に、実際に吉香(KIKKO)が手掛けたビジネスシーンでの通訳サポート事例を紹介します。
- 通訳者を海外に派遣し、現地で通訳サービスを提供した事例
- 国際的な大型イベントでの通訳者・外国語スタッフを派遣した事例
- 通訳者の語学力+対応力で高評価を得た、海外メーカー向けの通訳事例
- 外国人投資家の企業訪問(IR)向けの通訳事例
※この他にも、決算説明会への英語同時通訳者派遣、海外拠点向け経営戦略説明の通訳サポート、など、吉香では様々なビジネスシーンでの通訳実績がございます。
それぞれの事例を見ていきましょう。
通訳者を海外に派遣し、現地で通訳サービスを提供した事例
吉香が日本から通訳者を海外に派遣して通訳サービスを提供した事例です。
海外現地での通訳ニーズに応えるケースで、国内派遣とは異なる留意点もありました。
たとえば海外に本社を置くグローバル企業の研修で、日本人社員が本社研修に参加する際に、現地講師の話を同時通訳するといった事例です。
欧米でのニーズが高く、業種もリテール、メーカーなど様々でした。
研修内容がマネジメント関連であれば、組織運営や経営知識に通じた通訳者を派遣するなど、テーマに沿った専門知識を持つ人材をアサインしています。
また、官公庁クライアント向けに国際会議やスタディツアーでの通訳を担当した例もあります。
世界各国で開催される国際会議に日本代表団が参加する際、プレゼンターには逐次・同時通訳を使い分け、他国要人のスピーチを聞く場面ではウィスパリングでサポートするといった高度な対応を行いました。
実際に派遣した通訳者が優れたパフォーマンスを発揮し、現地で高い評価を受けた結果、次回以降同じ通訳者を指名いただくリピート案件に繋がったケースもあります。
さらに特徴的なのは、インドネシアやドイツなど海外現地法人の監査・取締役会への通訳派遣事例です。
こうした場合は英語よりむしろ現地語(インドネシア語やドイツ語など)を日本語に通訳するニーズが高く、現地在住のネイティブ通訳者を手配しました。
東南アジア各国では日本語堪能な通訳者が多く、日本から派遣せずとも質の高い現地通訳者で対応できるメリットがあります。
そのため移動コスト削減と現地慣習への精通という観点から、現地通訳者の起用も積極的に行っています。
このように、吉香では海外派遣ならではのリスク管理やサポート体制にも注力しています。
たとえば交通機関の遅延リスクに備え、万が一通訳者が時間通り現地到着できない場合でもZoomによるリモート通訳で代替できる体制を整えています。
また、通訳機材も各国の法規制に抵触しないものを用意し、安心して利用できるよう配慮。
現地合流の際のスムーズな集合や、宿泊先・移動手段の細かな手配まで含め、コーディネーターがきめ細かくサポートすることで、海外でもクライアントがストレスなく行程を進められるよう工夫しています。
事例の詳細はこちら:通訳者を海外に派遣し、現地で通訳サービスを提供した事例のご紹介
国際的な大型イベントでの通訳者・外国語スタッフを派遣した事例
2019年と2022年に開催されたNBAジャパンゲームでの実績です。
吉香は同イベントで、海外から来日したNBAチームのコーチや選手、関係者に随行するホスピタリティスタッフとして通訳サービスを提供しました。
NBAジャパンゲームでは、試合運営の舞台裏で海外チームをサポートする重要な役割が求められます。
吉香のスタッフは英語通訳はもちろん、移動や滞在中の細やかなケアまで含めて対応し、チームや選手が快適に過ごせるよう尽力しました。
たとえば選手の移動スケジュール管理、会見やイベントでの逐次通訳、緊急時の連絡調整など、多岐にわたる業務をこなしています。
「スポーツ通訳」と一口にいっても、試合の戦術会議での通訳から、ファンサービスの場での通訳、果ては選手の怪我対応での医療通訳まで要求される場面もあり、幅広い対応力が問われます。
吉香ではスポーツ分野に強い通訳者・スタッフを揃え、2019年の初開催時から協力したことで信頼を獲得し、2022年の再開催時にも引き続き声がかかりました。
また、新しい衛星サービス開始記念式典での通訳事例もあります。
政府要人や各国大使などVIPが多数出席する格式高い式典で、同時通訳および逐次通訳を提供しました。
宇宙開発・衛星通信という専門性の高いテーマでしたが、吉香の通訳者が高度な専門知識を備えて臨み、正確かつ迅速な通訳で式典の円滑な進行をサポートしています。
「総理大臣のスピーチを通訳する」といったプレッシャーのかかる場面でも、豊富な経験に裏打ちされた安定したパフォーマンスを発揮したとの評価をいただきました。
国際イベントの通訳派遣ではイベント運営側との綿密な連携も重要です。
吉香では事前にイベント主催者と打合せを重ね、通訳者だけでなく必要に応じて多言語案内スタッフや翻訳サービスもまとめて提案しています。
たとえば、ブース出展企業向けには、当日の通訳+事前のパンフレット翻訳まで対応して、言語面をトータルサポートするなどです。
国際イベントは都市部だけでなく地方開催も多いため、その地域の通訳者を派遣したり、オンラインで不足分をカバーしたりと、柔軟なアプローチで各企業のニーズに応えています。
事例の詳細はこちら:国際的な大型イベントでの通訳者・外国語スタッフ派遣
通訳者の語学力+対応力で高評価を得た、海外メーカー向けの通訳事例
最後に紹介するのは、ある海外メーカー企業向けに通訳サービスを提供した事例です。
吉香の通訳者が単に語学力が高いだけでなく、「対応力」によってクライアントから高い評価をいただきました。
ある海外メーカーは世界各国に拠点を持つ大企業で、CEOや役員クラスのVIPが来日。
日本法人での会議や取引先訪問、さらには視察・会食・メディア取材まで含めてタイトなスケジュールをこなす必要がありました。
通訳言語は英語で、会議中は同時通訳と逐次通訳を併用し、長時間に及ぶ場合は2名体制で品質を維持するという高度な対応が求められたのです。
本件では、会議以外にも様々なシチュエーション(工場視察、食事会、テレビ取材等)が含まれていたため、通訳者には語学力はもちろん短時間で顧客と打ち解け信頼関係を築くコミュニケーション力が重要でした。
吉香がアサインしたのはトップクラスの通訳スキルを持つAクラス通訳者の中でも、特に「対応力」に長けた人物です。
実際に通訳を担当した中で、いくつか印象的なエピソードがあります。
一つは、当初はウィスパリングで通訳していたところ、会議の長時間化に伴い通訳者・役員とも疲労が出てきたため、急遽音声ガイド機器を使用する方式に切り替えた場面です。
しかし機器導入直後にスピーカーとの音声干渉でハウリング(ノイズ)が発生してしまいました。
そこで通訳者はすぐさま積極的に機器設定の工夫や運用提案を行い、その場を乗り切りました。
結果的に音声トラブルによる支障も最小限に抑え、通訳を最後までやり遂げることができたのです。
また別の場面では、事前に十分な資料が提供されなかった中で専門性の高い内容を通訳する必要がありました。
そこで通訳者は自身で関連ウェブサイトや公開情報を入念に調べ上げ、準備に努めました。
現場では初めて耳にする業界用語もあったはずですが、冷静に対応。
メディア取材では「ここまで深く理解して訳せる人はなかなかいない」との評価を記者からいただくほどでした。
クライアントからも「限られた事前情報の中で専門用語もしっかり訳してくれた」と感謝の言葉をいただきました。
さらに、要所要所で通訳者が見せたホスピタリティも高評価をいただいたポイントです。
アテンド通訳はVIPに対して礼節正しく振る舞うのはもちろん、移動時間などには適度に雑談を盛り上げ、場を和ませる気遣いも重要です。
特に海外VIP対応では、教養やマナーを備え相手に心地よく過ごしてもらう力が求められますが、通訳者はまさにそうした資質を発揮しました。
クライアント企業からは「ぜひ次回もこの通訳者にお願いしたい」という声をいただきました。
「語学力が高い」ことはプロ通訳者として前提です。
語学力の高さに加えて現場の雰囲気を読み取り、主体的かつ誠実に対応するパーソナリティこそが通訳者評価を左右する要因だと吉香では考えています。
事例の詳細はこちら:通訳者の語学力+対応力で高評価を得た、海外メーカー向けの通訳事例
外国人投資家の企業訪問(IR)向けの通訳事例
吉香では、経営層が関わる高度なビジネスシーンにおいても、専門知識を備えた通訳チームを柔軟にコーディネートしています。
ある上場企業では、近年の円安傾向を背景に海外投資家からの関心が急速に高まっていました。
投資家の一部は「実際に経営陣と直接話して投資判断を行いたい」と希望し、その対応として吉香に英語通訳をご依頼いただきました。
対象となるのは役員クラスの経営層で、議題は経営方針や財務指標、今後の成長戦略、さらにM&A(企業買収)に関する話題にまで及ぶという内容。
こうした会議では、単なる語学力だけでなく、経営・投融資・IR(投資家向け広報)などに関する知識が求められます。
吉香では、事前にクライアントから詳細なヒアリングを実施。
ミーティングのアジェンダや業界動向、投資家の関心テーマを共有してもらい、IR分野に精通したベテラン通訳者2名を同時通訳チームとして手配しました。
限られた人材しか対応できない高難度案件でしたが、吉香では長年にわたりIR通訳者の育成とネットワーク構築に注力してきたため、迅速に最適な人選が可能でした。
当日、通訳者チームは経営トップの発言を的確に英訳し、投資家からの鋭い質問にも冷静に対応。
専門用語や財務表現を正確に訳出し、終始スムーズな議論の流れを維持しました。
参加した外国人投資家からは「非常に理解しやすく、内容が明確だった」との高い評価をいただき、
結果として、この企業は投資家との信頼関係を深めることに成功。
後日、実際に大口出資を得る成果へとつながりました。
吉香では、語学スキルの高さに加え、専門分野への理解力と現場対応力を兼ね備えた通訳者が多数在籍しています。
事例の詳細はこちら:研修、イベント、IRなどの通訳サービスを提供した5つの事例をご紹介
ビジネスシーンでの通訳なら実績豊富な吉香におまかせ!

グローバルビジネスの現場では、優秀な通訳者の存在がプロジェクトの成否を握るといっても過言ではありません。
吉香は、1979年の創業以来、40年以上にわたり通訳・翻訳サービスを提供しており、会社やイベントの規模にかかわらず、あらゆるビジネスシーンでの通訳、翻訳への対応実績がございます。
対応言語は主要言語から希少言語まで世界約90言語に及び、テレビ・WEBをはじめ国際会議や大型イベントなど多種多様な重要シーンでの通訳が可能です。
通訳だけではなく、会議資料・議事録など、ビジネス通訳において発生した翻訳業務も合わせて対応が可能です。
ビジネスシーンでの通訳依頼を検討中の方は、ぜひ一度吉香にご相談ください。
豊富な実績と専門知識を持つスタッフがヒアリングを行い、最適な通訳者とサービスプランをご提案いたします。











