COLUMN

2021.05.27

ゴールが遠いからこそ面白い!

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ゴールが遠いからこそ面白い!

チャレンジ精神と誠実な仕事ぶりで映像翻訳を中心にクライアントから高い評価を得ているスペイン語通訳者・翻訳者の太田亜紀(おおた あき)さんにお話を伺いました。

スペイン語との出会いからお話しいただけますでしょうか また、どういったきっかけでスペイン語通訳者・翻訳者になろうと思われたのでしょうか

高校時代にイギリスに短期留学をした際にスペイン人のグループに囲まれて夏休みを過ごしたことでスペイン語に興味が湧いたというのがきっかけでした。また、スペイン語は世界中でも多くの国で使われている言語ということもあって大学ではスペイン語学科に進学しました。大学卒業後はキューバに留学しメキシコシティで就職、帰国後にイベントを企画・制作する会社で社内通訳として働きました。そこでの経験がスペイン語通訳者を目指すきっかけになったと思います。

フリーの通訳・翻訳の仕事に携わる前のこと、フリーランスになるきっかけを教えてください

先程の話と重なりますが大学卒業後、スペイン語をもっと学びたいという気持ちと大学でサルサ研究会というサークルに所属していたことがきっかけでキューバに1年間留学をしました。留学後は日本に帰国する予定でしたが、もっと語学ができるようになりたいという思いが残り、ラテンアメリカで経験を積もうとメキシコシティの旅行会社に就職しました。日本に帰国後は東京でラテンアメリカ系のアーティストを招聘するイベント会社に就職しました。会社ではアテンド通訳などを経験する機会はありましたが、母がよく小さい頃に手に職をつけることが大事だと言っていたこともありフリーランスを目指しました。

太田さんのVTR翻訳は正確さ、丁寧さに於いてクライアントからも高い評価を得ていますが、ずばりその秘訣はなんでしょうか

まずは自分の納得いくものを作り上げるということを心がけています。いつもいただく仕事が自分の興味のあるジャンルのものが多く、気になって色々と調べすぎてしまうのですがやはり興味をもって調べる、向き合うということは良い成果物につながることなのでとても大切だと思います。  映像翻訳は内容や作業をする環境(オンサイトか在宅か)によって求められることが異なりますが、大切なのは「日本語から日本語に見直す」ということです。訳出した後に見直すことで「こう言ったら自然かな」や「こういう伝え方だと伝わりにくいかな」といった問題点を見つけることができ、より的確な表現へ落とし込んだ翻訳にすることができます。見直し作業をする際は原語に引きずられて伝わりにくい日本語になっていないか、日本語では表現しない言い回しになっていないか、話者の意図を間違えて解釈していないかという部分を特に意識して行っています。

仕事をする上で心がけていることや長く続けていくモチベーションにつながっていることは何かありますか

日頃から意識していることは歳を重ねてもいつまでも興味を持って勉強や何事も楽しんで長く続けられたらいいなと思っています。高校時代の恩師の英語の先生がもう80歳を超えていらっしゃいますが、年に1度お会いした際にその1年間で先生の目に留まった新しい表現をたくさんピックアップして講義してくださるんです。そんな姿を見ていると勉強は嫌なものだと思って無理やり続けるものではなく、楽しいからこそ続くものだなと思います。先生のようにいつまでも学ぶ意欲を持ち続けられたらとても素敵だなと感じます。

通訳・翻訳の仕事は日々新しい発見があり、様々な好奇心を満たしてくれるところがあります。この仕事をしてなかったら絶対に知り得ないような情報や貴重な体験ができるのもこの仕事の面白さだと思います。また、人と人を直接的に繋げる仕事でもあるので誰かの役にたてるという充実感もあるのですが、同時に多くのことが求められる仕事でもあります。言葉はどんどん新しくなり、ジャンルも日々増えていく世界のため、いつも挑戦していく姿勢が求められます。ゴールが遠く、常に追いかけていくようなところがこの仕事の魅力であり、同時に仕事をする上でのモチベーションになっています。

吉香を知ったきっかけを教えてください

社内通訳を退職した後、ラテンアメリカの音楽関係の会社でアルバイトをしながら、単発で通訳の仕事を受けていた時期がありました。そんな中、インターネットで吉香の存在を知り、元々イベントや報道のお仕事にも縁があったのでなんだかおもしろそうだなと思い応募しました。

これまで吉香から依頼を受けた業務で一番印象的だった仕事は何でしょうか その理由もお聞かせください

これまでスポーツ、紀行、グルメ、絵画、芸術などの多岐にわたるテーマで様々な仕事を経験してきました。その中でも絵画のドキュメンタリーとウルグアイのムヒカ前大統領に関するドキュメンタリーは何日間も制作会社に通ったので印象深く残っています。番組制作の方々の苦労や制作への思いを肌で感じ、通訳者としても背筋が伸びる思いがした記憶があります。その他スペイン語はやはりサッカーの仕事も多く、ワールドカップをはじめ、ヨーロッパのチャンピオンズリーグや南米のコパ・アメリカなど多くの大会があるので仕事として翻訳業務を行いつつチームの動向を見守り、心の中で応援しながら楽しくやっています。

仕事の後のリフレッシュ方法やオフタイムの過ごし方を教えてください

仕事をした後は頭が冴えてしまって興奮冷めやらぬという状態になってしまうのでお風呂にはいってゆっくりし、ヨガで呼吸を整えるなど自分を落ち着かせるようにしています。またどんなに忙しくても愛犬を1日2回散歩に連れ出さなくてはならず、逆にそれがいい気分転換になっていると感じます。休日は犬をおもいっきり走らせると自分の気分も晴れやかになります(笑)

今後挑戦してみたいお仕事や将来のビジョンはありますか

スペイン語圏各地の様々な魅力を伝える映像翻訳の仕事は今後も精力的に行っていきたいと思います。突発的なテレビ局の報道系の仕事にも対応できるよう日々、各国の政治・経済をはじめ様々な分野の情報収集にも努めていきたいです。通訳の分野では、最近は情報通信やAIなどテクノロジー分野の業務も増え、新しい世界が覗けるのはとても興味深いです。同じスペイン語といっても国によって、また使用する分野によっても用語や言葉遣いが異なります。今後もどんどん新しいことに興味を持ってチャレンジしていきたいです。

吉香の魅力、また吉香に今後期待することはありますか

吉香のコーディネーターの方々はいつも通訳の立場になって考えてくださり、とても感謝しています。また業務内容も報道やドキュメンタリーなど、時代に即した最前線の旬な話題が多く、刺激的でとてもやりがいがあります。今後もワクワクする気持ちを大切にしながら様々なお仕事でご一緒させていただけると嬉しいです。

 

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