通訳歴24年。大学教師(愛知県立大学外国語学部英米学科准教授)と通訳業務を両立させている袖川裕美(そでかわ・ひろみ)さんにお話を伺いました。(撮影:合田昌史)
お仕事の典型的な一日の流れを教えてください
【大学教師】 月・火/授業、 水/授業と会議、木/会議
【通訳】 金/NHK、BBC放送通訳
通訳のお仕事にやりがいを感じるのはどのような時ですか?
・絶体絶命のような状況を乗り切ったとき。
・著名人の通訳、歴史的重要性のある出来事の通訳をしたとき。
・最近(2018年6月)では米朝首脳会談(フジテレビ)後のトランプ大統領記者会見
の同時通訳を、一人で45分ほど担当したとき。大変でしたが、ありがたかったです。
以前はどのようなお仕事をされていましたか
大手の翻訳・通訳会社で、社員として翻訳をしていました。その後、通訳もやってみたくなり、挑戦しました。
前職の経験はどのような点で、今に活かせていますか
言葉を扱う仕事なので、すべて大変役に立っています。すべてがつながっていると思います。
自分の成長を実感したエピソードがあれば教えてください
・BBCで仕事ができるようになったとき。
・湾岸戦争でブッシュ元大統領の開戦宣言の同時通訳を担当した(TBS)。
・首相官邸で小泉元首相の通訳をした。
・ラグビーのジョーンズ監督のインタビュー通訳をした(テレビ東京)。
・マクロン現フランス大統領の同時通訳をした(BS日経)。
こんなとき―要人との緊張する通訳をなんとかこなせたとき―には、進歩を実感します。
今のお仕事で大切にしているポイントはなんですか
・いつも初心者のように取り組むこと。
・準備をきちんとすること。
就業前に何か不安はありましたか
新しい仕事の前はいつでも不安だと思います。
お仕事の大変なところがあれば教えてください
なんといっても一発勝負の世界のため、プレッシャーが大きいこと。事前準備の勉強が大変です。
どのような人が向いている仕事だと思いますか
勉強家。言葉によるコミュニケーションが好き。
吉香に感じるイメージを教えてください
スタッフが丁寧な会社。家庭的、こまやか、責任感がある。
今、吉香を選んでよかったと思う点を教えてください
これまで数々の貴重な仕事を担当させていただきました。
仕事終わりやオフタイムの過ごし方を教えてください
ホットヨガ。声楽を習う。音楽会に行く。
お仕事で今後の目標があれば教えてください
大学教師と通訳の二足のわらじをうまくこなすこと。書く方の仕事も、もう少し取り組みたいと思います(2016年に「同時通訳はやめられない」(平凡社新書)を上梓。重版されました)。