翻訳には正式な資格制度がない
実は、翻訳のお仕事には明確な資格制度が存在しません。案件によっては未経験でも翻訳業務を行うことが可能です。極端な話をしてしまえば、翻訳経験がゼロでも、自分が翻訳者であると名乗ってしまえば、翻訳者になれるのです。とはいえ、外国語を扱う仕事なので、ある程度の語学スキルが求められます。例えば、英検やTOEICといった客観的な指標によって語学スキルが判断されます。
翻訳業務を行う上で求められる語学スキル
翻訳者として業務を行っていくためには、実際に語学力がどの程度あるかを示すために英検やTOEICを受験し、履歴書にそのスコアを記載する必要があります。一般的な翻訳者には、最低でも英検であれば1級、TOEICであれば900点以上のスコアが求められます。スコアが低いと、翻訳会社の選考を通過することは難しくなります。これらの検定や試験は、英語の理解力、読解力の目安となる試験です。基礎学習は欠かせないので、語学力アップのためにも英検・TOEICの受験は重要です。しかし、スコアが高いからといって翻訳能力が高いことにはなりません。翻訳には、さらに特有の技術も必要となります。
英検やTOEIC以外の資格
英検やTOEICの他にも、日本翻訳連盟(JTF)が実施する試験「ほんやく検定」という資格試験があります。この検定は実務翻訳レベルを判定するものです。基礎能力を判定する4・5級の検定と、実用レベルの1~3級の試験に分かれています。実用レベルの検定試験内容は、政治経済や科学技術、金融・証券といった専門的な分野から科目を選んで受験します。この検定で2級以上に合格すると、JTF公式ウェブサイトにある「検定合格者リスト」(JTF会員専用)とJTF機関誌「日本翻訳ジャーナル」に自己プロフィールを登録・掲載できます(希望者のみ)。
一般社団法人日本翻訳連盟公式ウェブサイト(以下のロゴをクリックするとページが開きます)