「アテンド通訳」とは
はじめまして。世界90言語を対象に通訳・翻訳・外国語人材派遣サービスを提供している、吉香(きっこう)です。
本記事では、海外の政府系要人とそのご家族に対して通訳+ガイドを行った「アテンド通訳」の事例をご紹介いたします。
アテンド通訳とは会議などでの同時通訳とは異なり、送迎や目的地への移動、観光ガイドなどを兼ねた通訳のことです。日本全国の歴史・地理・文化等に関する幅広い知識と教養が求められ、全国通訳案内士という国家資格を持つ通訳者も多くいます。
アテンド通訳が活用されるのは、今回ご紹介する政府系の要人のほかにも海外のアスリートや企業の経営者など、主にVIPと呼ばれる方々を接遇する場面です。通訳者やガイドとしてのスキルはもちろん、お客様ファーストで考えながら行動できる高いホスピタリティやVIPならではの配慮が求められるため、高度なコミュニケーションと豊富な経験が求められます。
また、一般的な観光客の通訳ガイドは行程(行先、レストラン、メニュー、時間)などが事前に決まっていますが、VIP向けのアテンド通訳では事前情報がないことも多く、おおまかな行先は決めるものの当日にゲストの要望を伺ってから目的地やレストランを変更するなど、臨機応変な対応が求められるのも特徴です。
海外の州知事の来日にあたってアテンド通訳を提供
クライアントである旅行会社様から、とある国の州知事が公務で来日するにあたって、知事とそのご家族が滞在する3日間の通訳+ガイドの相談を受けました。政府系VIPの接遇には、幅広い時事や一般常識のほか、海外視点での政治情勢、人種や宗教などデリケートな話題への知見、その場その場での状況変化に対応できる判断力も欠かせません。
こうしたVIP対応の経験が豊富で、高いホスピタリティと知識を備えたアテンド通訳者1名を手配しました。
主な業務内容は、空港やホテル、公務先までの送迎、知事の公務中にはご家族の観光、公務の合間に知事とご家族が一緒に行動する時間の同伴などです。公務の時間には必ず公務先に到着していなければならないため、移動の段取りやドライバーとの連携などタイムキーパーも重要な役割となります。
今回、観光に関する事前のリクエストは特になかったため、まずは吉香と旅行会社で大まかな観光プランを立てました。
都内での滞在なので浅草や隅田川クルーズ、明治神宮などの観光名所を選定。お食事についても好みやアレルギーの情報はありませんでしたが、レストランはあらかじめ確保しておきます。
観光地ではどのレストランも満席になっていることが多く、暑さや寒さの中を外で待たせてしまうような状況を避けるためです。もちろんお食事の好みが合わない、アレルギーがあるなどの場合には即座に別のレストランを手配するなど、プランBの備えも大切です。
このように、VIPに心地よく、負担なく過ごしていただけるよう考えうる万全の体制でお迎えします。結果、滞在中の3日間はトラブルなく観光や食事を楽しんでいただき、満足して帰国いただくことができました。
会議通訳+αのご要望に幅広く対応
アテンド通訳のように、通訳+αのサービスを提供するケースはほかにもさまざまあります。
会議やイベントでの通訳では、その現場だけで通訳を行うのが一般的ですが、前後の送迎や移動の時間も通訳者が同伴し、コミュニケーションをサポートすることも可能です。
例えば海外から政府系要人が表敬訪問などの公務で来日されるとき、ご本人に加えて同行される関係者の方々に対しても通訳サポートをするというケースがあります。
観光ではないためアテンド通訳とは異なりますが、こうしたケースでは公務の時間だけでなく空港やホテルへの送迎、目的地への移動なども、関係者の方々の動き方に合わせてサポートします。もちろん移動に限らず、ご要望に応じた柔軟なアレンジが可能です。
さらに、そうした要人や海外アスリートの来日にあたって相手国の言語での窓口担当者が必要な場面や、会議やイベント当日の受付が必要な場面でも、最適な通訳者を派遣します。
近年ではインバウンド需要の急増に伴い、アテンド通訳をはじめとする通訳+αのご相談・ご依頼も多数お受けしております。吉香が保有する2,000名の通訳者のネットワークを活かし、さまざまなリクエストに対応。案件の大小を問わず、ご要望やご予算、スケジュールに応じて最適なコーディネートをご提案いたします。
「どのように頼めばいいのかもわからない」「予算が合うか不安」「案件が細かくて引き受けてくれそうな会社がない」といった方にも、それぞれ柔軟に対応させていただいておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。