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2024.07.12

官公庁が導入した米国製機器の操作トレーニングを、逐次通訳で支援

官公庁が導入した米国製機器の操作トレーニングを、逐次通訳で支援

「逐次通訳」とは

はじめまして。世界90言語を対象に通訳・翻訳・外国語人材派遣サービスを提供している、吉香(きっこう)です。

本記事では、官公庁のとある大型プロジェクトにて逐次通訳のサービスを提供した事例をご紹介いたします。

「逐次通訳」とは、話し手がしばらく発言を続けたあとにいったん話すのを中断し、通訳者が通訳するという手法です。商談や会議といったビジネスシーンのほか、講義などの教育の場や、医療機関で医療関係者が外国人の患者に対して症状や手術の説明を行う場面など、幅広く活用されています。

話し手の発話と同時に通訳する「同時通訳」とは異なり、情報をまとまった状態で届けられるため、聞き手にとっても聞きやすく、正確に理解しやすいのが特徴です。

一方、話し手が一度発言を中断してから通訳するため、普通の会話や同時通訳よりも倍くらいの時間がかかるという点には留意が必要です。

高度な技能と経験をもつ複数の通訳者を、長期間アサイン

官公庁が新たに導入するアメリカ製の機器。その設定や使用方法を理解するための講義や実機トレーニングを行うにあたって、現地から来日したアメリカ人講師の通訳を行いました。

座学形式の講義に加え、実機の操作トレーニングなど多数のカリキュラムが組まれており、期間はおよそ1ヶ月にわたりました。30名を超える参加者が複数のグループに分かれてトレーニングを受けるプロジェクトで、期間中は常に通訳者が帯同する必要がありました。

極めて専門性の高い機器であることや、専門用語、官公庁独自の慣習などもあるため、その分野で豊富な経験を積み、高度なスキルをもった通訳者のアサインが不可欠です。そうしたハイレベルな通訳者はスケジュールも多忙のため、1ヶ月という長い期間、しかも複数名をアサインするのは決して簡単なことではありません。

吉香では、およそ2,000名の通訳者を擁する膨大なネットワークを保有しています。そこから本件のようなプロジェクトを得意分野とする通訳者をピックアップします。非常にシビアな条件ではありましたが、計5名の通訳者でチームを編成し、全日程で通訳者が立てる体制を整えることができました。

想定外の状況でも臨機応変な対応で高品質な通訳をキープ

通訳者のアサインが決まってからは、クライアントから事前資料を取り寄せます。今回は複雑な機器のトレーニングということで、膨大な量の資料が届きました(もちろんすべて英語です)。

いくら経験豊富な通訳者といっても、何の事前準備も無しで本番に臨めるわけではありません。むしろ、レベルの高い通訳者こそ事前資料を徹底的に読み込み、プロジェクトの専門性にキャッチアップした状態になるまで準備します。

プロジェクトが始まると、1日3名がそれぞれ1グループを担当して業務を行っていきました。途中数回、通訳者の交代がありましたが、その際にポイントだったのが適切な引き継ぎです。それまでに何があったか、どんな用語が出てきたか、受講するグループによる習熟度の違いなど、前任者が必要とする情報を後任に共有して通訳の品質の維持向上に努めました。

その際に重要だったのが、通訳者がそれぞれで作成する、専門用語の名称や意味をまとめた用語集です。クライアントの資料の中には、まだ適切な日本語訳が存在しない単語が出てくることもあります。その場合には仮訳(かりやく)を当て、用語集を通じて通訳者同士で情報共有し、通訳品質を保ちます。

チームでのプロジェクト遂行にあたって、吉香ではあくまで通訳者たち個々のスタイルを尊重しながら、互いに円滑なコミュニケーションを図れるようにサポートします。たとえば、通訳者一人ひとりをコミュニケーションツールでつないで連絡を取りやすいようにしたり、5名の中で最も経験豊富な通訳者に対してチーム全体のまとめ役をお願いしたりするなどです。

また、現場の状況をこまめにヒアリングし、クライアントの様子やプロジェクトの進行度合いを確認します。場合によってはトラブルやリスクの予見にもつながるため、こちらも非常に大切なことです。

通訳の現場はナマモノです。当然、予期しないことも起こります。今回のケースでは、講師が事前資料をあまり使用せず、自分の頭の中に入っている手順でどんどん話を進めていくという流れになりました。

このような状況になると、通訳者がいくら事前に資料を読み込んでいても、それだけで対応するのは困難です。変化に応じて即時判断し、講師の意図を理解しながら適切な通訳をすること、そしてその状況をチームの通訳者たちに共有することで、プロジェクトを無事に完遂することができました。

本件のように、吉香が保有する膨大な通訳者のネットワークを活かしてチームを編成し、大規模なプロジェクトに取り組むという事例は、官公庁を中心に近年増加しています。

機密性の高い案件も多いため、NDA(秘密保持契約)の締結はもちろん、プライバシーマーク制度に準拠した情報管理を徹底的に行っております。安心してご相談ください。

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