お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

登録者の声

頂いた一つ一つのお仕事に真剣に取り組むことで、また次回に繋いでいける、そんな仕事をこれからも丁寧に続けていけたらいいなと思っています。

新聞記者や学習関係の参考書の執筆などを経て、フリーランスとして独立した韓国語通訳・翻訳者の梁 成実(りょう・せいじつ)さんにお話を伺いました。

この仕事を始めたきっかけを教えてください

以前は新聞社で、記者や整理部(紙面レイアウトや校正)の仕事をしていました。しかし家庭や子育てと両立できずに退職し、その後は資格を持っていた校正と執筆のスキルを使って、フリーランスで学習関係の校正や参考書などの執筆を行っていました。
現在のお仕事を選んだのは、時間に自由な仕事をしたいと思ったからです。
ある日書店で、『通訳・翻訳仕事』(だったと思います)という雑誌を偶然見たとき、ふっと(そうだ、通訳・翻訳の仕事をしよう)と思いました。新聞社時代に翻訳も少しやっていたので、そう思ったのかもしれません。国家資格もあると友人から聞いたので、通訳案内士の資格も取りました。

就業前に何か不安はありましたか

直感を信じていたし、不遜に聞こえるかも知れませんが、通訳・翻訳の仕事をしている未来の自分の姿がはっきりと見えていたので、不安はありませんでした(不思議なことですが)。 

前職の経験はどのような点で、今に活かせていますか

若い頃に勤めていた新聞社で、尊敬する上司から「必ず第一次資料(原本)に当たれ。出典を明確にしろ。伝聞を鵜呑みにするな。自分が見て・聞いて・調べたことだけを記事にしろ」と叩き込まれたおかげで、現在増えているリサーチや簡単な取材など仕事にも、少なからず活かせているのではないかと思います。

仕事にやりがいを感じるのはどのような時ですか?

クライアントから指名されたときです。でも同時に怖さも感じています。信頼に応えられるだけの仕事を今回もできるだろうか、と毎回自問自答しています。またニュース素材の翻訳のお仕事では、一部しか取り上げることができないニュース素材の原文・全文に直接接することができることです。放送されない部分に案外重要な問題が含まれていることがあるので、色々と考えさせられます。

今のお仕事で大切にしているポイントはなんですか

①現場で言われたことをこなすだけでなく、何を求められているのかを察することです。事前準備に力を入れ、現場で臨機応変に対応できるように心がけています。
②翻訳(紙面・映像共に)するときは、行間を読み取ることと、読む人の心に届くようにわかりやすい表現に変換することに気を配っています。文化の違いを超えて、ぴったりと合う言葉を探し当てたときの喜びは、大きな快感です。
③わかることとわからないことを、はっきり区別して提示すること。
④決してごまかさないこと。仕事はもちろん、業務報告でも勝手にこだわっています(よく言えば「自分ルール」)。終了時間は現場スタッフさんと終わりの挨拶を交わした瞬間に自分の携帯に表示された時刻としています。とても小さなことですが、私自身ここでルーズになると仕事においても(これくらいでいいか…)などと、どんどん自分に甘くなってしまうと思うので、気をつけています。

仕事の大変なところがあれば教えてください

ニュースや政治情勢を常にチェックすること自体は好きなので問題ないのですが、報道番組のお仕事はオファーを頂いてからテレビ局に入局するまで時間が短い場合が多く、時間管理がタイトな点が少し大変です。番組によっては深夜や早朝のお仕事も普通にあるので、体調管理にも気を遣います。以前は映像翻訳に集中しすぎて、気がついたら10時間くらいキーボードを打ち続けていたときもありました。ある意味体力勝負の職人仕事でもあると思っています。子どもたちが小さかった頃は夜、仕事に向かう時に「行かないで!」と泣かれたことが、もしかしたら一番辛くてしんどかったことかもしれません。でもその子どもたちもあっという間に大きくなり、今では良き理解者として応援してくれています。

お仕事の典型的な一日の流れを教えてください(出勤から帰宅まで時系列で)

① テレビ局入りのオファー電話 → 指定の時間に該当局へ伺ってお仕事(朝から昼過ぎまで、夕方から深夜3、4時まで、夕方から翌日昼過ぎまで、など様々)。
② 在宅のお仕事のオファー電話 → 納期に合わせて納品。

どのような人が向いている仕事だと思いますか

正直な人、ズルをしない人、時間・約束を守れる人、好奇心旺盛な人。思いやりのある人。

現場の雰囲気について教えてください

いつも同じ現場ではありませんが、若い人が多くなってきたなあ、と思います(イコール、自分が年を重ねたということですが)。ひと昔前は、怒声が飛び交うかなりピリピリした雰囲気の現場が多かったと思いますが、最近は協調しておだやかにチームで力を合わせて番組を作り上げているのを強く感じます。

吉香に感じるイメージを教えてください

しっかりした会社。高級感。伝統。老舗の貫禄。
それでいてフレンドリー。
上記の点から吉香を選びました。

今、吉香を選んでよかったと思う点を教えてください

入った当初、「メールの業務報告ひとつでも、誤字脱字がないように。小さなところにその人の仕事が表れるから」と、当時の部長から、御社応接室でお話しして頂いたことが忘れられません(ちなみにそのお話の後、すぐに業務報告用メールのひな形を作り、現在も使用中)。派遣として所属する人に対しても、しっかりと育てようとしてくれているという姿勢を感じ、吉香と出会えて幸せだと思ったことをよく覚えています。

コーディネーターに感謝したエピソードがあれば教えてください

ずいぶん前のことですが、ある通訳さんが勝手に民放局の方と直接仕事のやり取りをするというルール違反をして問題となったことがありました。その時テレビ局にアテンドで入ってくださったコーディネーターの方が「仕事のルールを守れない人は、一時は仕事が増えるかも知れないけれど、長い目で見たら成功しない。信頼と信用を失うからよ」と、若かった私に優しく教えてくれたことが忘れられません。今でもときどき思い出します。仕事に畏怖を感じさせてくれる言葉をかけてもらえて、本当に有難いと思っています。

吉香の研修を利用したことはありますか

大活躍されている先輩通訳(英語)の方の講演会に参加しました。仕事に対する情熱と自負を肌で感じることができて、とても刺激を受けたことを覚えています。

仕事終わりやオフタイムの過ごし方を教えてください

珈琲かビールの飲めるお店で、ぼーっとしたり、本を読んだりしてリセットすることもあります。時々友人と山に登ったり、近郊の温泉に日帰りで行ったり、映画や演劇も観に行くこともあります。子どもたちとはもっぱら家でドラマやバラエティー番組を見ながら大笑いしてリラックスしています。
ちょうど吉香で仕事を始めさせていただいた頃、太極拳を習い始めました。きっかけは産後の激太りから短期間で二桁の減量に成功した自分へのご褒美としてでした。通訳・翻訳と太極拳は、「相手の気を察し、調和を求める」という点でとても似ているなと思っています。太極拳もいつの間にか15年も続いています。師範のお免状も頂いて、いまでは都内3か所で太極拳を教えています。時間的・精神的・体力的にハードな仕事をこれまで続けて来られたのは、太極拳によるところがとても大きいと感じています。通訳・翻訳のお仕事と同じく、太極拳も私の大切な一部となっています。これまで時には我慢しながらも応援してくれた子どもたちと、太極拳の師匠と仲間、そして通訳仲間と吉香の皆さまのおかげだと、本当に感謝しています。

お仕事で今後の目標があれば教えてください

目標というより当たり前のこととして、初めて仕事をさせていただいた時から変わっていないのですが、頂いた一つ一つのお仕事に真剣に取り組むことで、また次回に繋いでいける、そんな仕事をこれからも丁寧に続けていけたらいいなと思っています。今でも仕事のオファーを頂くたびに「今日失敗したら明日はない」という恐怖を密かに感じています。でもその恐怖心が消えたときが、この仕事を辞めるべき時だと自分を戒めています。オファーの電話が鳴るたびにドキッとしますが、ある意味スリリングで楽しくもあります。そういうところも性に合っているので続いているのかもしれません。

吉香で働こうか迷っている人へメッセージをお願いします

愚直に一生懸命与えられた仕事をするという姿勢を貫いていけば、おのずと道は開けるのではないかと思っています。ともにがんばっていきましょう。